2019/6/19 又吉直樹主催 最後の太宰ナイト(メモ・感想)
2009年から毎年の桜桃忌に開催されていた「太宰ナイト」は、11回目の2019年6月19日をもって終了。つまり、2020年の今日は太宰ナイトがないのですね。寂しいです。
去年私が参加した、最後の太宰ナイト、とてもとても楽しかった。
遅刻してしまい、焦り&緊張&興奮で、あまり詳しい内容を思い出せないけれど、当時メモしていたものを、記録の為にここに書きます。
2019年6月19日 又吉直樹主催 太宰ナイト2019@渋谷無限大ホール
ゲスト:しずる村上純、フルーツポンチ村上健志、木村綾子、最後にスペシャルゲスト 西加奈子
開演前:『待つ』朗読(青柳いづみ)
オープニング曲:凛として時雨「TK in the 夕景」
この曲を聴くたびに、太宰ナイトに初めて参加した時のあの興奮が蘇ります。
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●2013年太宰ナイトの映像
・38歳『人間』という小説を執筆(←実現してるすごい!!!)
・息子をスペイン留学させる
「太宰!」「治!」「人間失格!(頬杖をつくポーズ)」
フルポン村上さんが、俵万智さんの『サラダ記念日』のポーズを入れてきて爆笑
●『走れメロス』を朗読しながら解説&ツッコミ
メロス:照英、藤岡弘
老人:斎藤洋介(又吉さんと顔が似てると誰かに言われたことがあるらしい)
妹:上白石萌歌
王様:役所広司
●コント『葉桜と魔笛』
時間がかなり押している中、コントに入る前に又吉さんが言った「間に合う間に合わぬは問題ではないのだ!(走れメロス)」大爆笑
●休憩中にモニターに映し出された太宰の名言集
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。」(人間失格)
「生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴ふき出す。」(桜桃)
「愛は、最高の奉仕だ。みじんも、自分の満足を思っては、いけない。」(火の鳥)
「生きてゆくから、叱らないで下さい。」(狂言の神)
「私の欲していたもの、全世界ではなかった。」(二十世紀旗手)
「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目しまめが織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。」(葉)
「悪気のない、さっぱりした人だ。けれども、それだけの人だ。一生、僕の家にいるつもりかも知れない。」(正義と微笑)
「大人とは、裏切られた青年の姿である。」(津軽)
「けれども悲しいことには、彼等は腹の底から笑えない。笑いくづれながらも、おのれの姿勢を気にしている。」(道化の華)
「ちょっと気取って、ふところ手して歩いた。ずいぶん自分が、いい男のように思われた。ずいぶん歩いた。財布を落した。」(富嶽百景)
「美しさに内容なんてあってたまるものか。 純粋の美しさは、 いつも無意味で、無道徳だ」(女生徒)
「僕は、心の弱さを隠さない人を信頼する。」(乞食学生)
☟以下、印象的だった又吉さんの言葉。うろ覚えです。☟
太宰の好きなところは、笑いと自意識と優しさ。
創作者としての覚悟が半端じゃない。読むほうも作家と同じ覚悟で読む。
『トカトントン』と『駆け込み訴え』は「笑える小説じゃない」と言う人多いと思うけど、笑えるんです。(☜ハッキリと言っていたのが印象的)
電子レンジ(『夜を乗り越える』)の作業、作家はやらないとだめ。(☜これも言い切っていて、強い主張を感じた)
ノンフィクションしか好きじゃない人いるけど、小説は嘘を描いてるわけじゃない。作家の体験をそのまま、もしくはそれ以上の強度で表現する。
エンディングで又吉さんは「太宰ナイト最後だから、お二人(西加奈子さん、木村綾子さん)を呼んだ。何年後かにまたこのメンバーで何かできたら」というようなことを言っていた。
2019年で太宰ナイトを終えた理由は、又吉さんが太宰の年齢に追いついてしまったからだそう。
終演後のモニターにも「また他日。」の文字(『津軽』より)。
何年後かに、また。その言葉を信じて、楽しみに待っています!
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