chie’s blog

ピース又吉直樹さん関連のライブ・本・ラジオ・テレビ等のことについて、好き勝手に書いています。

2019年5月24日(金)又吉直樹主催~実験の夜~ 第八十回(感想)

渋谷無限大ホールにてほぼ毎月開催されている又吉さん主催のライブ、実験の夜。前回4/20は客入れ音楽がボブディランだったけど、今回はいつも通りハンバートハンバート。前回だけが特別だったのかな。

オープニングトーク。『人間』の連載が終わり、「僕次第で、今年中に本にできると思う」というようなことを言っていた。

早速進行役の井下好井の好井さんが登場。井下好井のお二人の名前は、好井まさお井下昌城(まさき)。「井」だけではなく「まさ」も一緒だという話から、又吉さん「井下好井じゃなくてまさきまさおやろ!」と言っていて面白かった。

又吉さんは、映画とかドラマの、ドラマチックな場面ももちろん好きだけど、そうじゃない、「これなんなん?」ていうような、どこで話したらいいかわからないような場面が好きというようなことを言っていて、例えとして、以前「スズコウ★ナイト」という番組でお会いしたシンガー・ソングライター田辺マモルさんのエピソードを話してくれた。10年ほど音楽活動を休んでいた田辺さんはテレビに慣れていなくて、収録が始まりMCの又吉さんがゲストの田辺さんを呼ぶと、田辺さんはリュックを背負って現れて、ついツッコんでしまったらしい(「いやちがうでしょ!」だっけ?)。また、収録が始まる前に、スタッフさんが田辺さんに、「田辺さん、フードが裏返ってるので直しますね」というと田辺さんは「あ、すぐ裏返るんで、また裏返ってたら教えてください」とい会話をしていたそう。このお話は「スズコウ★ナイト3」でも放送されててめっちゃ面白かった!放送では又吉さんが「今年聞いた会話で一番平和な会話やった」と言ってみんなが笑っていた。 

今回は、「自由律俳句を愛でよう」という会。八十回目にして初めてのテーマだそう。一緒に俳句を作るのは、赤嶺総理さん・あわよくばのファビアンさん・LOVEのたつろうさん。始める前に又吉さんが「自由律俳句」とは何かを簡単に説明。「リズムが無いということではなくて、自由な、自分の気持ちいいリズムで、ということ」と言っていたのが印象的。いつかのラジオ「あとは寝るだけの時間」でも同じようなことを言っていたので、割と大事にしている、というか伝えたい部分なのかなと予想。

みんなが作った俳句を披露する前に、又吉さんの好きな俳人の自由律俳句を鑑賞。

 咳をしても一人(尾崎放哉)

 めしたべにおりるわが足音(尾崎放哉)

 花火があがる空の方が町だよ(尾崎放哉)

 釘箱の釘がみんな曲がって居る(尾崎放哉)

 月が冷たい音落とした(住宅顕信

 そこを曲がれば月を背に帰るばかり(住宅顕信

 すまないが狐の影絵しかできない(せきしろ

他にも、種田山頭火の俳句とかもあったはずだけど思い出せず。又吉さんがせきしろさんのことを「一番面白い俳句を作る」と言っていたのが印象的。

続いて、お題に沿ってみんなが作った自由律俳句を披露。覚えている限りで又吉さんが作った俳句を書き記す。うろ覚えなので、一言一句正しくはないと思うので申し訳ないが、できるだけ忠実に。。(もし覚えている方がいらっしゃったら、教えて頂けると嬉しいです。)

  • お題「トイレ」
    前衛的過ぎてどちらが男子かわからない
    清掃員の動きが疾風
  • お題「恋愛」
    字面でさえ痛む
    渡せなかったお土産が部屋にいる
  • お題「家族」
    母が使っているからチャリがない
    姉の水筒だから隠す
  • お題「犬」
    あげたのに食べてくれない
    いま吠えたら悪魔だと思われる
  • お題:お酒
    断りにくいシャンパンが来た
    (「瓶に刺さったレモン」みたいな俳句全然思い出せずごめんなさい)

次に、「なりきり自由律俳句」というコーナー。誰かになりきって、ある自由律俳句を発表し、後で誰の俳句かを答えるというもの。又吉さんが発表したのは二句。

 四って言ったことねぇんだよな・・・アントニオ猪木

 シマウマってダサいよな・・・ドン小西

なりきり自由律俳句の写真を赤嶺さんがTwitterに載せてくれていて嬉しい。こちら☟

「犬」というお題の時に又吉さんが「犬とか苦手やねんけど、海外行ったら放し飼いの野良犬とかいっぱい居て、それは大丈夫だった。こっちの方が強い立場っていうのがダメ」というようなことを言うと好井さんが「壊してしまいそうだからですか?」と聞いて、その瞬間又吉さんがめっちゃ恥ずかしそうに笑ってて、少し間が空いた後に、「そう!」と言っていたのがとても可愛かった。海外というのは、アナザースカイⅡで行ったインドのことだろう。

実は、今回のライブ中に体調を崩されたお客さんが居て一時ライブが中断したのだけど、又吉さんはすぐにお客さんの方に駆け寄って状態を聞いたり、救急車を呼ぶ判断も早くてスタッフに指示したりしていて、迅速な対応に感激した。他のお客さんにも気遣って「一旦休憩にしてもらっていいですか?」と言ってくれたり、救急車で運ばれて落ち着いた後も、私たちの不安な気持ちを察して笑わせてくれて、劇場全体が一瞬にして安心に包まれた気がした。ライブ後も、Twitterにて体調を崩された方の無事を報告してくれ、劇場に居た全員を安心させてくれて、改めて又吉さんのカッコよさを思い知らされた。ネットニュースにもなっていましたね。又吉さんのTwitterはこちら☟

因みに、田辺マモルさんが出演された「スズコウ★ナイト」はスカパー!の番組で、私はこれがきっかけで田辺マモルさんを知って大好きになった。田辺マモルさんが演奏されている時、とてもとても貴重な又吉さんのお姿が観れたんだ。。又吉ファンの私としてはお宝映像だと勝手に思っている。「スズコウ★ナイト」、控えめに言って最高な番組なのでこれまた勝手にスカパー!おすすめします。

 

宮沢和史『留まらざること川の如く』朗読会イベント(ゲスト:又吉直樹)

2019/5/21 宮沢和史さんが、渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて、ソロアルバム『留まらざること 川の如く』の発売を記念して朗読会&トークイベントを開催。なんとサプライズゲストとして又吉直樹さんが登場!トーク&歌詞の朗読をされたそう。又吉ファンとしては是非参加したかったな~。

ありがたいことに、J-WAVEのSTEP ONEという番組で23日12:30から、又吉さんのトークの一部始終を聴く事が出来た。radiko(ラジコ)タイムフリーで一週間聴けます。そのラジオで又吉さんがお話されていた部分を書き起こしてみた。

「本当に影響をすごく受けた方です。おめでとうございます30周年!」

「元々姉がすごくTHE BOOMのファンで、それまでも色んなバンドを聴いてたんですけど、THE BOOMを聴いた時に、音楽もそうですし言葉も、すごく自分の身体に馴染むというか浸透するというか、なんかすごくカッコよかったんですよね、そこからずっと聞き続けて。文学とか小説とかに出会う前に、まず宮沢さんの言葉に出会って、普通に僕達が日常で使ってる言葉とは違う、詩の言葉っていうのがあるんだっていう。表現とか常識とか道徳みたいな、いまいちしっくりこないことを、宮沢さんの言葉を経由して、なんとなく、世界ってもしかしたらこうなってるのかもなっていう風に、色んなことが腑に落ちたというか。もちろんそれは共感っていう言葉だけじゃなく、発見の連続やったんですけど、発見していく中にすごく共感できる部分があったんですよね。」

「(子供の頃、美しくないドロッとした世界には)日常で生きている中であんまり出会えないですし、大人たちも子供が相手だとあんまり露骨に出してくれないんで、大人の世界を覗くしかなかったんですよね。」

「宮沢さんの描く、ドロドロした部分と、美しい世界が描かれている部分とがあると思うんですけど、美しい世界を描いている中に、醜いものも美しいものもあって、色んな線が消えてるけど最後に残した一本に吸収されてる感じがするんで、幻想だけを言ってるんじゃなくて、現実も踏まえた上で言ってるからなおさら説得力がある、というのをすごく感じますね」

「『僕はもう歌手じゃないから』(『歌手』の歌詞)っていうのが、なかなか言えないですし、そういう状況になった方でも、すごくシンプルな言葉なんですけどこれは出ないし覚悟がいる言葉だと思うんですよね。「他人に古傷を見せなくてもいい」という言葉もあるんですけど、なんかその中に悲しみもある。荷が下りた、気が楽になった心境で描かれたと仰ってましたけど、ご本人ももしかしたら気付いてないところにそういう悲しみもあって、この表現が言ってる言葉の中に、違う響きが含まれているっていうのが言葉の面白いところやなと思ってて。宮沢さんの言葉でそれが発声されることに意味があると思うんです。僕は音楽的なことは全然わからないですけど、詞だけで読むとわからんけどそれが誰かの声にのったり音楽にのった時に「あこういうことか」てすごくわかることあるじゃないですか、そういう説明的じゃない何かが、言葉にならない感情みたいな部分が、音とか声で伝わってくるんやなと思ってて。声とか音楽との相性というか、その言葉をどんどん膨らませる音楽を、宮沢さんはずっと作ってこられたのかなと思いますね」

ラジオでこんなに又吉さんのお話が聴けるとは思わなかったので嬉しい。

又吉さん登場時にサッシャさんが言っていたけど、又吉さんは宮沢さんのコンサートのパンフレットに寄稿したこともあるんですね。

また、oricon newsによると又吉さんは「中学生のときに宮沢さんの写真を持って散髪屋さんに行って、『同じにしてください』って言ったら、『あなたの髪質では無理』と言われた」らしい。

イベント後半では、『留まらざること 川の如く』収録曲の歌詞を宮沢さんと又吉さんが交代で朗読。さらに、又吉さんに影響を与えた曲「ゲバラとエビータのためのタンゴ」の歌詞をお2人の掛け合いで読まれたそう。私は初めて聴いて、たしかに又吉さん好きそうだなと勝手に思った。

宮沢さん(THE BOOM)の曲はあまり聴いたことがなかったけれど、これを機に色んな曲を聴いてみたい。