chie’s blog

ピース又吉直樹さん関連のライブ・本・ラジオ・テレビ等のことについて、好き勝手に書いています。

又吉直樹さんと古井由吉さん(『新潮』2020年5月号 追悼文,対談等について)

又吉直樹さんと古井由吉さんについて書きたい。

又吉さんと親交の深かった作家の古井由吉さんは2020年2月18日にお亡くなりになりました。

『新潮』2020年5月号には、古井由吉さんの遺稿となる未完の短編小説や、又吉さんによる追悼文等が掲載されています(大変人気なようで、売り切れかもしれません)。

 

又吉さんが初めて読んだ古井さんの本は『杳子・妻隠』。

「脳が揺れ比喩ではなく実際にめまいを感じました。身体に直接影響を及ぼす小説があることに驚きました。」(帯文より)

 

古井さんと又吉さんが初めて会ったのは2012年『新潮』での対談。2017年にも同誌にて対談を行っています。2017年の対談の様子がこちらから少し読めます☞ 新潮 立ち読み:2017年6月号 | 新潮社

又吉さんの著書『東京百景』には、2012年春に「風花」にて開催された古井由吉さんの朗読会に行った時のエピソードが書かれています。とても面白い。(九十五 新宿五丁目の文壇バー『風花』)

 
『杳子』の他にも、又吉さんが衝撃を受けたという古井さんの本が『山躁賦』。
又吉さんは『新潮』の追悼文で、古井さんの作品に惹かれる理由は、「共感できる人物が描かれているということだけではなく、自分が創作に於いて自分でも他者でも無いなにかに惹かれる瞬間に文章が限りなく近いから」と書いている。
 
また、『やすらい花』、『蜩の声』は又吉さんが「何も読める気がしない夜に何度も読み返した作品」だそう。(ORICON NEWS より)
 
その他、『辻』にも帯コメントを寄せている。
「芳醇な言葉の連なりに身を任せると、実感を伴う風景が拡がり、感覚が研ぎ澄まされて行く。至福の読書体験でした。」(帯文より)
 
また、2020年3月『蕎麦湯が来ない』(又吉直樹せきしろ著)刊行記念選書フェアにて、古井さんの著書『この道』をおすすめ10選の中の1冊として挙げている。
「普通は見えたものや聞いたことを書こうとしたり、思考を追ったり、発想を膨らませたものを書こうとする。古井さんは見えないはずのものを見ようとして、聞こえないはずのものを聞こうとしている。肉体の感覚から出発していることは読めばわかるが、読者の自分は、道を少し行くと、浮かぶ飛び石のようなものを踏んでいて、いつのまにか特別なものに触れている。」(選書コメントより)
ちなみに、上記選書フェアでの又吉さんのおすすめ本10冊はこちら☟
 

又吉直樹さんのご著書一覧まとめはこちら☟

chielix.hatenablog.com