chie’s blog

ピース又吉直樹さん関連のライブ・本・ラジオ・テレビ等のことについて、好き勝手に書いています。

2019/8/23又吉直樹の朗読会@名古屋中電ホール(感想)

2019/8/23に名古屋中電ホールにて行われた「又吉直樹の朗読会」。昨年11月の石川県に続き、東京以外での開催は2回目となる。今回朗読してくれた4作品は、全て本になっていない未発表のものだそう。

客入れ音楽はハンバートハンバート。出囃子はnever young beach「どうでもいいけど」。出演者は又吉さん、フルーツポンチの村上さん。

又吉さんが朗読した作品は

  • 母の話(ぶんじゅくじゅんじゅう)
  • あれ俺やで
  • 平凡な爆発音
  • 怒りをぶちまけてもいい国

上3作品は昨年11月の石川県での朗読会でも読んでくれたもので、「怒りをぶちまけてもいい国」は、昨年末の東京月見ル君想フでの『やぁ』、朗読会で読んでくれたものかと。

昨年の石川県での朗読会についての内容はこちらに書きました☟

2018/11/25又吉直樹の朗読会@石川近代文学館(感想) - chie’s blog

以下1作品づつ覚えてる範囲で内容や感想を。

  • 母の話
    エッセイ形式で、昨年の石川県ではタイトルが「ぶんじゅくじゅんじゅう」だったかと。朗読後、「石川に向かう新幹線の中で書き上げた」という発言に会場が驚きに包まれていたのを思い出した。
  • 俺やで
    詩のような形式。因みに、2016/11/3 Eテレにて放送されたミュージックポートレイトという番組にて、くるり岸田さんとの対談の中で、「俺やで」のお話がちらっと出てくる。下記YouTubeにて観れます☟(30:10あたり)

  •  平凡な爆発音
    小説形式。5年前くらいに書いた5千文字程度のものだそう。冒頭は実話に基づいていたそうで・・・オシャレなカフェでジンジャエールを頼むと、店員に甘口か辛口か聞かれ、本当は甘口がいいけどなんとなくかっこつけて「まあ、辛口で」と曖昧に答えてしまい悶々としていると、隣の席の中年女性2人(作家と編集者?)の会話が聞こえてきて、、というような始まりだった。私が文字にするととても陳腐で申し訳ないのだけど、又吉さんの朗読で聞くと冒頭から本当にとても面白いので、行かれてない方にはぜひ朗読会で聞いて頂きたい。(次にいつどこで聞けるかわからないけども。。)
  • 怒りをぶちまけてもいい国
    小説形式。又吉さんの、黒い?闇の?部分が全開な作品だな~と勝手に思っている。田舎のカップルが都内のオシャレなカフェに気合いを入れてランチに行く話がすごく共感出来て、でも怖いくらい怒りをぶちまけていてとても面白かった。朗読後、「この主人公みたいな人が、『人間』(10/10発売予定)にも出てくると話していたけど、絶対ポーズの影島だ!と思った。

オープニングトークで、言葉が好きになったきっかけを話してくれた。小学生の頃「黄昏」という言葉は、「誰ソ彼」(夕方頃は人の顔が見分けづらく、「誰だあの人は」)が語源だということを知り、言葉って面白いと思ったのだそう。ピースの前のコンビ名「線香花火」も又吉さんの好きな言葉で、「社会的な意味と、自分が思う意味の違いが面白い。」というようなことも言っていた。「ピース」というコンビ名を決める時も、綾部さんに「ストリッパーにしようぜ」と言われたことがあり、「お母さんにどう思われるやろ」等と考えてしまったという話も面白かった。

フルーツポンチ村上さんは2作ほど朗読。昨年末の『やぁ』、朗読会で読んでくれたものと同じかと。途中、村上さんとのトークでは、プレバト!!というTV番組で村上さんが優勝した俳句 ”行間に次頁の影夕立晴” を褒めていて、「てことは、こっちから陽が当たってんねんな?」等と楽しそうに解説していた。

エンディングトークで又吉さんは自分のことを「変態」だとはっきり言っていたのが印象的。「昔から自分で書いたものを読み聞かせるのが好きで、いつもは後輩誰か1人つかまえて聞かせてるのを、こんな大人数の前でできるなんて、最高ですよ」と。「彼女がいた時とかは、『怒りをぶちまけてもいい国』みたいなものを読み聞かせると、彼女が顔を引きつらせながら、『面白いね』と言ってくれる」とも話していた。

なんで読むのが好きなのか考えると、きっかけかもしれない出来事があるそうで・・・小学生の頃作文を書いた時に、又吉くんの作文が面白いからと、クラスのみんなの前で読まされたことがあるのだそう。そこでみんなにめっちゃウケて、気持ちよかったのだそう。その作文の内容は、遠足での教頭先生とのエピソード。これ、『劇場』(又吉さん二作目の小説)にも出てきますよね。「植物の水やりを教頭先生と日替わりでやっていたのが仲良くなったきっかけ」とか、「枇杷の木に登って枇杷を食べようとしたら、教頭先生に危ないから降りろ!とめっちゃ怒られたので降りると、教頭が登って枇杷を取ってくれた。食べるのはええんや」というような話もしてくれて、これも『劇場』の一節に繋がる。また再読の楽しみが深まりますね。

そうだ、『劇場』が文庫化されましたね!やっぱり単行本だけでなく、文庫本でもあるといいよね。お手ごろな値段にもなるし!下記にて購入できます。ぜひに。